毎日がジャイアントステップス

弟子入り修行中のジャズドラマー。初心者ならではの目線で書いてます。ジャズドラムの基本、レッスンのこと、練習、セッション、ライブレポ。お店の紹介などなど。

ハードボイルドギタートリオ~40過ぎて始めたからこそ得られたもの

2019年6月19日、お師匠様のライブ観戦@9回目は、関内ABスマイルにてお馴染みのギタートリオ。



私の他、東海林さんのお弟子さんや数少ない女性ジャズドラマー友達など、気の置けない仲間と共に楽しいひと時を過ごしました。



ギタリスト、東海林由孝さん


183センチという長身で、しかもオシャレでハンサム。本当、俳優みたいでそこにいるだけで映えます。
肝心のギターサウンドはこの日も湘南の風のごとく自由闊達に流れるプレーでした。



ドラマー、安藤信二師匠


この日もご機嫌かつ切れ味バツグンなドラミングでした。師匠のドラムの特徴として挙げられるのが男らしさ。パワーがありながらも曲に合わせて自由に歌う、そしてドラムソロでは華麗に魅せてくれます。



ベーシスト、小牧良平さん


小牧さんはこちらのトリオに何度か参加していらっしゃる、人気のベーシスト。
淡々とリズムを奏でるストイックなサウンドが特徴、安定感も高く自然体で聴いていられます。


今回でこちらのトリオもかれこれ5回くらいは見たのですが、いつ見ても飽きることがなく、幸せな気分になれます。

そしてこの日は大好きで尊敬する、女性ジャズドラマーのお友達も観戦していました。
彼女は年齢は私よりずっと若いけどジャズドラム歴は私よりずっと先輩。セッションで知り合って依頼、仲良くなりました。人柄もさっぱりしてて気さくで、そして笑顔がとてもキュート。
そんな彼女と話しててふと気づいたこと。


今ここにある出会いは、私がこのタイミングでジャズドラマーを目指したからこそあるのだと。


もし彼女のように若いうちから始めていれば、それはそれで良い出会いもあったはずだ。
そして仮に今この場にいる人たちと知り合っていたとしても、今のような関係ではなかったかもしれない。
もちろん、それが悪いともいいとも言ってないが、少なくとも言えるのは今感じている心地良さは、私がオールドルーキーだからこそ得られたのだ。



最後にみんなで記念にパチリ


ライブに行くたびにある新しい出会い、新しい発見と気づき。40代も半ばになる普通の女性の私が、ジャズのことでいつも新鮮で飽きることのない気持ち、そして本物の自分らしさでいてもいい環境があるとは、つくづく運がいい。



もちろん、アフターのいつもの中華も、ワイワイ話しながら楽しく美味しく頂きましたよ。

ストロベリームーンに出会った偶然が3つ

2019/06/17の今日は、ストロベリームーン、ピンクの満月だ。
1年のうちでも夏至に最も近い時でないと見ることが出来ないとてもレアな月、今年のそれはたまたま娘の9回目の誕生日と当たったが、それだけでもうラッキー感極まりない。


そんなイチゴ満月の夜に、6月に因んでたまたま調べた「Gemini Jazz」というワード。Geminiはふたご座、この二語で何となく何かが見つかりそうだと思っていたら…見つけた!

Gemini-Cannonball Adderley


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あらやだ!推しのサックスプレイヤー、キャノンボール
初めて知ったこの曲、コルネットに弟のナットが参加してる。ベーシストは安定のサム・ジョーンズときてドラマーはLouis Hayes。


他にも、この曲のアレンジないかなぁとさらに探し続けていたら…見つけた!

Gemini- Chic Korea


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チック・コリア大先生によるピアノトリオ。曲中の半分がピアノソロという。さすがはピアノトリオの鬼!
で、例によって、共演ドラマーを調べたところ…おお!Roy Haynesだ。


ここまで来て気づいた。
え?ちょ、ちょっと、待てよ!
これっていったい…。


chigsajazzygiantsteps.hatenablog.com


そうだった!この時の曲紹介の中で、この似て非なるドラマー2人を掘り下げてみたのだ。
いやー、なんかどこがで見たような…というデジャブシンキングにハマりそうなとき、こうして第三者目線を介して思い出せたのはとても嬉しかった。


ストロベリームーン、ピンクの可愛い月がプレゼントしてくれた偶然を、しかと覚えておこう。


あ、この人もふたご座じゃん!


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なんという偶然(≧∇≦)

父の日に聴きたい、ホレス以外のジャズの曲3選

今日は父の日、カーネーションで埋めつくされる母の日と比べたらどうしてもちょっと地味だ。
ところで、ジャズに携わる人間なら誰もが知っている、お父さんに送る名曲と言えばやっぱり「ソング・フォー・マイファーザー」だ。


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セッションでもよく演奏されるし、ゆるやかなボサなので初心者にも叩きやすい。もちろん、黒本にも載っている。
しかしこればっかりじゃ何なので、どうせなら他のお父ちゃん賛歌も探してみた。

ワン・フォー・ダディーO-キャノンボール・アダレイ


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サックス好きなちぐさの推しの1人、キャノンボールの1曲。
ドラムはアート・ブレイキーにピアノがエルビンの兄、ハンク・ジョーンズとう豪華キャストによる演奏。
リズムの猛者どもによる、ブルージービバップちょいワルオヤジなダディにピッタリだ。

ダディー-ジュリー・ロンドン


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美貌のボーカリストジュリー・ロンドンによる、コケティッシュな1曲。
可愛くて、でもちょっとセクシー。こんな年頃の娘が、大好きな父親のために歌う。
親バカな女の子パパさんたち、いかが?

パパ-ダディー アンド ミー - ジャック・デジョネット


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難読スペルの名ドラマー、ジャック・デジョネットのリーダーアルバム。
80年代初頭のフュージョンな味が色濃い、ちょっとポップなナンバー。こんなところでも、彼の名ドラムは繰り出されているが。
面白いこと大好きで遊び心満点なパパさんにオススメかも。


最後にちぐさの父の日のことを。
ちぐさの父は、今、すい臓がんの抗がん剤治療を始めたばかり。副作用は出てきたものの、大好きな創作活動をする気力はあるようだ。



久留島礫による作。これは作家としての彼のペンネーム。


父娘を繋ぐのはレッド・ツェッペリンだと彼は思っているらしい。
しかし、私が8歳でジャズに目覚めたきっかけ、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)のラストコンサートを聴いていたのは、他ならぬ彼のレコードだ。


つまりこういうこと。
ジャズドラマーちぐさは、父がいなければいなかった存在なのだ。

難読スペルを持つジャズミュージシャン3選

突然ですが、皆さんの名前は読みやすいですか?
私の名前ですが、やや難読です。



名前については、以前も当ブログで書いたので、それについてはこちらの過去記事をご参照ください。


chigsajazzygiantsteps.hatenablog.com


日本語って、どういう訳か名付けになると漢字の読み方が急にいい加減になるので不思議。
だって、私の名前にある「種」。これを「くさ」と読むなんて、どんな名門私立小学校でも教えてない。
そんな日本人の名前は、世界一バラエティー豊かで世界一難解だと信じて疑わない。


それに比べたら欧米人の名前って簡単、アルファベットだけだし、多少カタカナ読みしたところで全く通じないてこともないし…。


…て、思ってたのですが。
いるんですよね。
難読スペルの名前の方が。
そこで、ちぐさが思う、ジャズ界の難読ミュージシャンを3人、勝手に挙げてみた。

ブラッド・メルドー


Art of Trio 1
Lucid - YouTube
本アルバムより1曲


端正な顔立ちと、ほろ甘くややアンニュイな雰囲気が魅力で、女性ファンが多いピアニスト。
彼の作り出すメロディもまた、独特な気だるさというか、時に官能的とも言えるフレーズとコードが特徴的だ。
そんな彼の名前を正式表記すると


Brad Mehldau


よく間違えるのがBrad Meldah。てか、eの後ろにh要らなくね?よっぽど最後のドーって伸ばすあたりにh持っていった方がどう考えたって日本人には親切だ。

ジョン・パティトゥッチ


Communion
John Patitucci - Communion 03-choro_luoco - YouTube
本アルバムより1曲


イケメン度合いで言えばこちらもメルドーさんに負けない。今のジャズベーシストの中でも最も引っ張りだこなモテ男。
名前のスペルから分かるように、イタリア系のアメリカ人。
テクニカルなベースプレイが売りで、エレキもウッドベースも同じくらいの比率で弾く。ジャズの中で若干フュージョン寄りなものが多く、またラテン系の血筋からか、軽快なリズム感の持ち主だ。
そんなジョン・パティトゥッチの正式表記はこちら。


John Patitucci


まあよく見たら、割と日本語のヘボン式ローマ字で読めるんだけど、なんかストレート過ぎて返って疑ってしまう。どこか余計にtを挿入してしまう。それに最後のッチの部分、cchiてなぜかhを入れたくなる。

ジャック・デジョネット


The De Johnette Complex
Miles' Mode - YouTube
本アルバムより1曲


1942年8月産まれ、御歳76歳であるがいまだにバリバリ現役のドラマー。
年齢的なものを全く見せない鮮やかなドラムプレーは、もはやデジョネットワールドと言ってもいい。
彼の演奏を真似しようとすると途端にぐしゃぐしゃになってしまうが、誰もが憧れるスタイルだ。
そんなジャック・デジョネットの正式表記はこれ。


Jack DeJohnnette


えっと。もはやこれはどこがルーツなのでしょうかというスペリングだが、れっきとした本名である。
名前のジャックに続いてなぜかラテン語系前置詞のdeがついて、その後にまた名前のジョンが来て、しかもそのジョンにetteの語尾でちょっと女性っぽくなっている。
まあそのように考えたらある意味覚えやすいのかもしれないけど、日本人の苗字で言うところの何何なんだろうとくだらない発想が浮かぶ。


このように、日本人同様、欧米人の名前にも難読なものはあるようだ。
しかし彼らのファーストネームはそれぞれ、ブラッド、ジョン、ジャック。苗字とは打って変わっての平凡さ。もはや名前で呼ばれたら誰か分からない。


なおなんと!この難読苗字ミュージシャンたちが共に参加してる作品が、あった!
聖地への旅
Tumbleweed - YouTube
その中から、ちぐさが選んだくす玉の1曲


マイケル・ブレッカー(サックス)の遺作。彼が残した最後の作品に、難読トリオの演奏が支えていた。
大好きなアルバムだが、これは盲点だった!(笑)

あんた誰やねん?ジャズドラマーちぐさの自己紹介

昨年の9月にこの「毎日がジャイアント・ステップス」を移行してから、自己紹介をしていないことに気づいたので、あらためて申し上げます。


名前は、ちぐさ(本名同じ、ただし漢字表記)。しし座で長女。



身長165cm、体重51kg。え?スリーサイズ?んなもん知らんがな。



真面目な自己紹介はこちら(サウンドハウスのライタープロフィールより)

8歳で父のレコードでジャズと出会い、11歳でコルトレーンに衝撃を受けジャズフリークに。
16歳で吹奏楽でパーカッションを始めドラムに目覚める。
その後一般的な人生を送るが、41歳の時に一念発起しジャズドラマーを目指す。以後リーダーライブを年間4本ほどのペースで継続。
現在はプロの元週一でレッスンに通う修行中の身。


好きなドラマー四天王は以下の通り。
ジェフ・テイン・ワッツ
Jeff Tain Watts: Brilliant Corners - YouTube
ブライアン・ブレイド
Joshua Redman - Jazz Crimes (Live) - YouTube
エルビン・ジョーンズ
Harmonique - YouTube
ビリー・ヒギンズ
CEDAR WALTON-BOLIVIA - YouTube


その他にもたくさんいますが、とりあえず4人。



セッションでは女装ですがライブでは男装します。その理由は、バレンタインライブでふざけてやったのが思いの外好評だったのと、男になると何となく上手くなった気がするから。



お酒飲むのが大好き、1人酒もいいけど、やはり誰かと飲む方が楽しいです。
ちなみに非甘党、ツマミ不要というほぼ完全左党
最近は白ワインが多いですがどんなお酒でも歓迎、白ワインおごってもらったら泣いて喜びます。
あ、非甘党と言ったけど、これだけは大好きです。



モ、モ、モンブラン大好き、頂いたら泣くほど喜びます。



麻雀も大好きです。アプリでも楽しいですが、人とリアルで打つのはもっと楽しいですね。麻雀のお誘いあればかなり前向きに検討いたします。



実は見かけによらず料理が好き。得意なのはパスタと唐揚げと餃子、料理好きドラマーで通ってます(誰が言うたんや?)。




おシャレするのも楽しみの1つ。ファッションの流行は一応チェックします。ワンピースばかりアホみたいに持っていますが、実はドラム叩くには持ってこい!ロング丈でタイトでないものはむしろ夏は涼しくて、汗をかくドラム演奏にはピッタリなんですよ、これが(まあ男性ドラマーには縁のない話ですけどね)。


最後に、楽器通販サウンドハウス所属ライターであり、不定期ですがジャズドラム記事を執筆しています。
音楽以外の分野の執筆ももちろん可能(過去にはWebコンテンツ記事を書いてました)。
将来的には音楽、特にジャズに特化したライターとして、演奏と共に稼げていけたらなぁという夢もあります。
他には、知ってるジャズミュージシャンの方にインタビューして、その人の魅力を発信する、そんなこともやってみたいです。あ、ジャズミュージシャン以外の方ももちろん歓迎ですよ(料金応相談)。
そのためには一眼レフ買わないとなぁ(優しいそこの貴方、買ってくださったら号泣して喜びます)。


そんなわけで、ジャズドラマーちぐさとはこんなやつやでー、と言わんばかりに自己紹介しました。
基本、人間大好き、楽しいこと大好き、笑うの大好きなヤツです。


練習がイヤになることってある?

ドラムに限らず、楽器の演奏力を極めるためには日々の練習は欠かせない。
それはもう、とてつもなく地道で地味なもの。与えられた課題はもちろんのこと、それをこなすだけでなく、練習メニューの内容についてもきちんと考察しなければならない。


そんなふうに言ってる私は、とんでもなくストイックなドMに見られているらしいが、こんな私でも練習がイヤになる時が…


ある!


めっちゃある!



(べ、別に、う〇こ投げたりなんて、し、しないからね!)


イヤになる時の主な理由が「①上手くならない」「②このフレーズ苦手」そして「③日常生活が忙しい」と、だいたい相場が決まっている。
①や②はまだどうにかなる。練習の渦中にいれば自分の上達度合いには気づきにくい。②なんかは、テンポ落としてやっていけば時間はかかってもいつかは自分のものになる。


問題なよは③、こればかりは管理できない場合もある。
そんな時はもう、休んでしまった方がいい。これは神様が休みなさい!て言っているのだから。


数にこだわるのは大いにOKだけど、限られた環境と時間の中で、いかに集中して効率よく行なうかが大切だ。


①の状態が続くとつらい。不甲斐ない自分にイラついてスティック投げつける、そんな状態を打破するには、やはり適度な休息も必要だ。


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そう。時にはメロディの優しいボサノヴァでも聴きながら、ね。

父の日が近づいて母を思うあまのじゃく

世間は父の日のムードだが、なぜか今になって母が恋しい。


今年は母の日にライブを行い、しかもあろうことか、闘病中の父を労う気持ちでSong for my fatherまで演奏してしまった。


なのに今やまるっきり反対で。ここ数ヶ月は父に付きっぱなしだったから?今日は珍しく母に電話して話し込んでしまった。


母は全然いいお母さんではなかった。離婚歴2回、それも自分から、原因は相手のことが嫌になったから。
幼少期は完全母子家庭で、毎日忙しい彼女はいつもピリピリしていた。
休日も仕事が多く、私は叔母や保育園の同級生のお家、はたまた仕事場にも連れていかれたことがある。
再婚してからはサラリーマン家庭の専業主婦になったものの、出来の悪い一人娘(私のこと)には当たりは厳しかった。
さらに10歳の時に妹が生まれ、36歳の体に鞭打って子育てし、私はいつもそれをサポートしていた。


以後も何かあると愚痴は私が聞き役、でも期待をかけたのは早くからデザインの才能を開かせていた妹のほう。相性でいえば断然私の方が悪かった。


それがここに来て、40過ぎてジャズドラマーなんぞを目指す娘のことを陰ながら見守り、また2児の祖母として、時には優しいおばあちゃんの顔にもなるのだ。


そんな母に、久しぶりに悩みや不安をぶちまけた。
加齢に対する心と体の不安、人間関係、はてはドラムのことまで(そこはさすがに、あんたが頑張るしかないじゃないわらい)て)
母からの答えは「そうねぇ…。嫌な言い方だけど、更年期の影響がで初めてるのかな?」「ま、検診行ってみて、病気は見つかってから考えればいいじゃない」
全く、なんなんだよこの一般論。
でも嬉しかった。
この歳になって、ようやく私にも耳を傾けてくれるようになった。


そう言えば、ジャズの曲で母のことを思ってるの、あるかなぁ?と思っていた。
女性の名前のタイトルはあれども、motherというワードがつくもの、あったかな。
探してみたら…あった!


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ぷはー!母の憂鬱って、なんちゅうタイトルじゃい!でも侮るなかれ!この曲、何気にベースはロン・カーターだし、ドラムはビリー・ヒギンズという、隠れた名店的なメンバーなんだからね。