毎日がジャイアントステップス

弟子入り修行中のジャズドラマー。初心者ならではの目線で書いてます。ジャズドラムの基本、レッスンのこと、練習、セッション、ライブレポ。お店の紹介などなど。

黒本AtoZ-009 アンスロポロジー

私が持っている黒本には280もの曲が収録されている。
その中には初心者でも簡単に出来るものから、プロミュージシャンでも手こずるものまで様々だ。


今回紹介するアンスロポロジーは、難易度5段階にしたら4か5にはなりそうな難曲だ。


Anthropology


オリジナルはサックスの神様、チャーリー・パーカーによるもの。
現役サックス奏者はもちろんのこと、コルトレーンスタン・ゲッツなど、黄金期に活躍したサックスミュージシャンにも大いに影響を与えた。
帝王マイルスもまた、楽器は違えども彼に対するリスペクトが厚い。
パーカーが奏でるバップサウンドの世界を、ちょっとだけ覗いてみよう。

とりあえずこれ聴いておこう

チャーリー・パーカー(テナーサックス)

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冒頭でも紹介した、チャーリー・パーカーのオリジナルの音源。
テンポ約230くらいか、とにかく速い!
パーカーのフレーズは難易度が高く、プロのサックスプレイヤーでも少々苦戦するらしい。
しかしそれ故に、ひとたびマスターするともう離せないよう。
喩えていえば、高嶺の花を落とした如くなのか(違うと思う(笑))。

ちぐさ’sセレクト(ジャズドラマー的推し)

クリス・ポッター(サックス)


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サックスカルテット萌えするちぐさの心をガッツリ掴んだ、クリス・ポッターのアレンジ。
彼がイケメンであるのもさることながら(結局そこかい!)、彼のサックスの音が好き。
サックスという楽器は、人間の声にもっとも近いと言われているが、同じテナーサックスを使っても、人それぞれの個性が出やすい。で、不思議なもので、イケメン度が高い男性プレイヤーは音もまたイケメンである。
彼の音色もまたイケメンだが、このドラムのテンポ感もイケメン度が高い。

アナザーチョイスofちぐさ(勝手に総合評価)

ロイ・ハーグローブ(トランペット)

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故ロイ・ハーグローブによるナンバー。
この頃の彼にはまだ初々しさがあり、純粋なジャズトランペッターな面持ちを感じさせる。
若くて実力派、人によっては第2のマイルスのようにもてはやされていた男、そしてジャズ界きってのド派手なヤンチャ坊主でもあった。
トランペットに対してはストイックだったのだろうけど、人間性は破天荒ながらもとても繊細だったのだろう。
晩年はヤクと女遊びに塗れ、49歳の若さで腎不全にてこの世を去った。ある意味、最も今風でありながら、最もジャズマンらしかったのかもしれない。
トランペットのサウンドは明るくよく通るが、どんな曲にも合わせる自在性もある。


アンスロポロジー、この曲ははっきり言って難曲だ。
テンポ230は初心者のうちはとてもハードルが高く、しかも、ゆっくりにしてしまうとこの曲の良さが薄れてしまう。
だが好きならあえて挑戦してしまうのも手だ。私にも、スペインで撃沈して恥をかいた経験がある。
初心者でもオッケーなセッションで、少し不本意でもやりやすいテンポでお願いしてみよう。
いつか上手くなってからと考える気持ちも分かるけど、今日交通事故に遭って腕が失くなる可能性だってゼロではない。
ときには度胸試しも、悪くない。