ジャズドラムを習い始めてから手放したもの
今年の2月からジャズドラムを基礎からやり直した。
いまだに悪戦苦闘してるし、あこがれのジェフワッツ氏の1%にもおよんでいない。
でも楽しい。くるしいときもあるけど、できなかったことができるようになるのはうれしい。
そんなふうに毎週通い続けてから、ふと気づいた。
それまで持っていたあるこだわりを私は手放した。
それは、笑顔でたたくというこだわりだ。
独学でやっていたときは、笑顔で楽しそうにたたくドラマーにあこがれていた。
もちろん、彼らのような一流どころのドラマーになると、基礎力がどうとかはもうビヨンドしちゃってる。
そんな彼らに無意識に自分のイメージを重ね合わせていた。
セッションやライブをやるようになり、ドラムをたたいてる写真を撮ってもらうこともあった。
しかし、そのどれもが、1つも笑っていない。
表情が険しい、かたい、ときに怖い顔。
おまえは般若か?それとも仁王か?もちろん、全然かわいくも美しくもない。
すこしも楽しそうじゃないのだ。
人からも言われる。
笑顔がない、つらそう、まじめにたたきすぎ・・・
もーやだ!!!!うるさい!!!!言うな!!!!
自分が夢みていたのとはまるで別人なドラマーの画像が、そこにはいた。
だって、笑ってる場合じゃないんだもの。
私の4ビート、ボサノバ、サンバキック、このありさま。
むしろ笑うのは見ている側。
私は全然、笑う心境じゃない。
たたけばたたくほどブスになっていく。
そんなもんもんとした中で参加したセッションでいわれた。
別に笑ってたたかなくていいんだよ!
…。
次の瞬間、心の底からあははって笑った。
そうだよねー。私が笑ってようが緊張してようが可愛かろうがブスだろうが関係なくて!
目的は、その場の演奏を事故らなく終わらせる。
別にどうでもいいんだよ、笑ってなくても。
そんなことよりね、いくら笑顔でたたいてても、リズムがずれちゃどうしようもない。
よっぽど、仏頂面でもブレないリズムのほうが信頼できる。
いいじゃないか!笑顔じゃなくても。
いいじゃないか!かたくるしくても。
うん、大丈夫。
笑ってはないけどブスじゃない。